主旨

中国湖南省龍山県里耶鎮で戦国時代から漢代にかけて使用された都城遺跡が発掘され、そこから秦の行政文書を中心とする簡牘史料(総計38,000余簡)が発見されたのは、2002年のことであった。簡牘には始皇帝(秦王政)25年(前222)から二世皇帝2年(前208年)までの紀年が現れる。里耶鎮は湖南・湖北・重慶市が接する境界付近の、険しい山間部に位置するが、始皇帝による東方六国の征服(前221)の後、この山深い離郷にも郡県制の網の目が及び、秦帝国の統治下に組み入れられたことを物語る。本研究班は、この貴重な史料を会読形式で精読し、中国古代帝国の統治制度やその実際のありように迫ることを、主な目的とする。

これと併せて、岳麓書院所蔵簡の会読も進めている。こちらの史料は、2003年に湖南大学岳麓書院が香港において購入した盗掘簡である。すでに4部の報告書が出版され、第4部の報告書には律令条文が収録されている。この法律史料を併せて精読し、如上の目的を達成する一助としたい。

本研究班の研究期間は2016~2020年度である。岳麓簡会読の成果としては、訳注を『東方学報』誌上に順次発表してゆく予定であり、同時に会読のなかで得られた知見を「研究箚記」として本HPに公開する。

【附記】

2020年度で「秦代出土文字史料の研究」班は終了したが、2021年度より新たに「秦漢法制史料の研究」班を立ち上げた。この研究班では、引き続き岳麓書院所蔵簡・里耶秦簡を会読し、前者の訳注を発表してゆくとともに、近々発表されるであろう睡虎地漢簡の会読を行うことも目指されている。会読で得られた成果を、今後もこのHPに公開してゆく予定である。

新着情報

2024年3月8日研究班日程の2023年度後期予定を更新。同ページに2024年度前期日程リンクを併載。
2023年4月7日研究班日程に2023年度予定を掲載。班員一覧を更新。
2022年6月20日研究班日程に2022年度予定を掲載。班員一覧を更新。
2021年10月18日研究班日程に2021年度予定を掲載。班員一覧を更新。
2020年8月17日研究班日程に2020年度予定を掲載。班員専用ページ担当表更新。
2020年1月8日研究箚記に資料(№7)を掲載。
2019年9月23日研究班日程に2019年度後記予定を追記。班員専用ページ担当表更新。
2019年5月6日研究班日程に2019年度前期予定を掲載。班員一覧班員専用ページ担当表更新。研究箚記に資料(№6)を掲載。
2019年4月1日研究箚記に資料(№5)を掲載。
2018年9月24日研究班日程に2018年度後期予定を掲載。
2018年6月25日班員専用ページに「その他資料(4)」を掲載。
2018年4月2日研究班日程に2018年度前期予定を掲載。班員一覧を更新。
班員専用ページに「その他資料(3)」を、研究箚記に資料(№4)をそれぞれ掲載。
2017年9月28日研究箚記に資料(№3)を掲載。
2017年9月5日班員専用ページに「その他資料(2)」を掲載。
2017年3月29日研究箚記に資料(№2)を掲載。
2017年2月27日班員専用ページに「その他資料(1)」を掲載。
2016年12月2日ホームページを公開。